病院・クリニックの低評価の口コミから考える、待ち時間と診察の後の伝え方
病院・クリニックの低評価の口コミには、言い方や態度への不満のほか、予約したのに待った、診察の後に次の案内がなかった、という書き方があります。待ち時間の見込み、予約の時刻の意味、電話の引き継ぎ、診察の後の案内、料金の掲示。受付・電話・院内の案内で手を打てる5つを、口コミの実例とあわせて紹介します。

この記事のポイント
- 待たせるときは、受付の時点と大きく遅れたときに一言伝える
- 予約の時刻が何を指すのかを決め、同じ言葉で案内する
- 電話で聞いた用件を残し、診察の後は次に何をするかを伝える
低評価の口コミには、何が書かれているのか
自院の低評価の口コミには、何が書かれていますか。星イチ研究所が掲載している病院・クリニック78件について、店舗ページに載せている直近の口コミ(1件につき3件まで)のうち、星1〜2の142件を1件ずつ読み、話題に分けました。1件に複数の話題が入ることもあります。
いちばん多いのは、医師・看護師・受付を問わず、言い方や態度への不満で63件でした。医師の診察や説明に触れたものは55件です。一方で、待ち時間、予約、電話、会計のように、案内の仕方や院内の決め方で手を打てる話題もあります。この記事は、そこが中心です(診断や治療の結果への不満17件と、どの話題にも分けられないもの23件はのぞきます)。
表が収まらない場合は、横にスクロールできます。
| 話題 | 件数 | 口コミにあった書き方(例) |
|---|---|---|
| 言い方・態度(職種を問わず) | 63件 | 冷たい、上からの言い方 |
| 医師の診察・説明 | 55件 | 話を聞いてもらえない、説明がないまま終わった |
| 看護師・病棟 | 28件 | 呼んでもなかなか来ない |
| 受付・電話 | 28件 | 受付の言い方、電話で伝えたことが伝わっていない |
| 待ち時間・予約 | 20件 | 予約したのに待った(6件) |
| 会計・料金・書類 | 15件 | 会計で待った(5件) |

待たせるときは、先に一言伝える
自院の口コミに「長く待たされた」と書かれていませんか。掲載中の口コミにも、予約したのに待ったという書き方が6件ありました。
受付で「いまは30分ほどお待ちいただいています」と一言伝える。待合に目安を掲示する。急患や検査で大きく遅れたときは、待っている人に知らせる。見込みが分かれば、席を外す、家族に連絡するといったことを患者が自分で決められます。
病院全体で見ても、待ち時間は不満が出やすい項目です。厚生労働省が病院の外来患者に聞いた調査では、「不満」と答えた割合がいちばん高い項目が「診察までの待ち時間」で、25.2%でした。
利用者の声:待たせるときの一言
「お待たせしました。」とか「少々お待ち頂くかもしれません。」などの一言も無かったのが残念です。
検査でかなり長く待った利用者が、謝罪が欲しいわけではなく、待つことを知らせる一言が無かったのが残念だったと書いています。その日も、「今すぐお伺いしますね」と言われてから40分待ったと書いています。
待たせるときは「少しお待ちいただくかもしれません」と先に伝えます。「すぐ」と言うのは、すぐに行けるときだけにします。大きく遅れているときに、待合で知らせる担当も決めておきます。
- 厚生労働省:令和5(2023)年受療行動調査(概数)結果の概要 ↗
全国の一般病院を利用する患者が対象の調査です(診療所は対象外)。外来で「不満」の割合が最も高い項目は「診察までの待ち時間」の25.2%。外来の待ち時間は1時間未満が約7割、診察時間は5分〜10分未満が40.9%で最も多くなっています。
- 厚生労働省:受療行動調査 調査の概要 ↗
調査の対象は、全国の一般病院を利用する患者(外来・入院)。病院の中から抽出しています。

予約の時刻が何を指すのかを決めて、同じ言葉で案内する
予約の時刻は「受付をする時刻」ですか、それとも「診察を始める目安」ですか。ここが決まっていないと、患者は時刻どおりに診てもらえると受け取ります。
予約の時刻が何を指すのかを院内で決めます。予約の電話、予約票、院内の掲示には同じ言葉で書きます。待つことがあるなら、それも予約を受けるときに伝えておきます。
利用者の声:予約をしても待つこと
毎回毎回思うのですが何のための予約なのか?他の方も書かれていますが待たせるだけ待たせて診察時間はほんの数分。
家族の定期検診で予約して来院した利用者が、毎回待たされることに「何のための予約なのか」と書いています。同じ口コミで、手術のおかげで母親が歩けるようになったとも書いています。
予約の時刻が受付の時刻なのか診察の目安なのかを決め、予約の電話・予約票・掲示に同じ言葉で書きます。待つことがあるなら、予約を受けるときに伝えます。

電話で聞いた用件を、当日の受付に引き継ぐ
電話で伝えたことは、来院した日の受付に届いていますか。掲載中の口コミには、電話や別の担当とのやり取りが、次の担当に引き継がれていなかった、という書き方が5件ありました。
電話で聞いた用件は、受けた人と内容をメモに残し、当日の受付が見られるようにします。よく聞かれる質問の答えは一枚にまとめて電話の近くに置き、誰が出ても同じことを言えるようにします。その場で答えられない質問は「確認して折り返します」と言える形にしておきます。
利用者の声:電話で伝えたことが受付に届いていない
電話の件を伝えても情報が全く共有されておらず、非常に不信感を抱きました。
高熱のため事前に電話で確かめ、「受付ですぐ案内できるよう準備しておく」と言われた利用者が、来院すると予約がないことを理由に断られたと書いています。電話の件を伝えても、受付には共有されていなかったそうです。同じ口コミで、医師や看護師の印象は良かったとも書いています。
電話で約束したことは、受けた人・日時・内容を当日の受付が見る場所に残します。発熱のある人の案内先など、電話で伝える内容と来院したときの案内をそろえます。

診察の後は、次に何をするかを伝える
診察を終えた患者は、次に会計へ行くのか、検査を待つのか、分かっていますか。掲載中の口コミには、診察が終わった後、会計なのか待つのかの説明もなく終わった、という書き方もありました。
診察の終わりに、次に行く場所と、待つならその目安を伝えます。医師が伝えられないときは、看護師や受付が伝えます。分からないことを聞き返せる相手も、ここで一緒に伝えておきます。
利用者の声:診察の後に何も言われなかった
診察が終わったあとも、会計なのか待ちなのかの説明なども何もなく無言のまま終わりました。
夜間の救急で家族を連れて行った利用者が、診察が終わった後、会計なのか待つのかの説明も無いまま終わったと書いています。
診察の終わりに、次に行く場所と待つ目安を伝える担当を決めます。夜間や救急のように人が少ないときも、誰が伝えるのかを決めておきます。

会計と書類の料金は、先に掲示しておく
診察で待った後に、会計でもまた待たせていませんか。掲載中の口コミには、会計で待ったという書き方が5件、料金を先に知らせてほしかったという書き方が2件、診断書などの書類の料金についての書き方が2件ありました。
会計の混み具合の目安と、診断書や証明書の料金、でき上がるまでの日数を、受付と待合に掲示します。別紙や2通目の料金など、よく聞かれることも一緒に書いておきます。頼まれたときにも、料金と日数を一言添えます。
利用者の声:診断書の別紙(2枚目)の料金
診断書も値上がりして1回で一万円もかかるのに2枚目は別料金とはおかしい!
保険会社に言われて診断書の別紙を頼んだところ、別の料金がかかると言われたと書かれています。同じ口コミには、予約していても待たされ、会計でも待たされたとあります。
診断書や証明書の料金、別紙や2通目の扱い、でき上がるまでの日数を受付に掲示します。頼まれたときにも、料金と日数を口頭で伝えます。

確認チェックリスト
- 待たせるときに、受付で待ち時間の目安を伝えるようにした
- 予約の時刻が受付の時刻か診察の目安かを決め、電話・予約票・掲示の言葉をそろえた
- 電話で聞いた用件を残すメモを作り、当日の受付が見られるようにした
- 診察の終わりに、次に行く場所と待つ目安を伝える担当を決めた
- 診断書などの書類の料金と、でき上がるまでの日数を掲示した
まとめ
今日、受付で待ち時間の目安を伝える一言を1つ決めます。
